昨今、社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)が注目を浴びています。
社会起業家とは、
社会変革(Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。
Wikipediaより
6月3日にNHKにて
チェンジメーカー CHANGE MAKER 第一回「ケニア・ミツバチで農村をチェンジ!」
が放映されました。
ファルーク・ジワさん(34歳、インド系ケニア人)がケニアで農村をチェンジした話です。
ファルークさんの父はビジネスマンということもあり、裕福な家庭に育ちました。
高校生のときに、ボランティアで明日の食べ物すら手に入らない人々を目の当りにしたことから、マハトマ・ガンディーの本を読み漁り、これらの本から大きな影響を受けたそうです。またその頃、ベジタリアンになることを決心しました。
そんなファルークさんが、貧困をなくすために新たな仕組みを考えることになります。
ケニアでは以下の問題を抱えており、1日1ドル以下で生活をするという貧困から抜け出せずにいる人々が大勢います。
・干ばつで飢餓が起こりやすい
・土地が痩せていて、野菜を販売するほど収穫することは困難である
・乳牛の購入は高価で困難である
ファルークさんが掲げたコンセプトとして、以下の点が挙げられます。
・農村が豊かになるには、農民の自立が必要である
・援助慣れした農民、すなわち、援助により物品をもらうことに慣れている農民の尊厳を取り返す
・「人に魚をあげると1日だけ、捕り方を教えると一生食べていける」という考えを尊重した
援助ではなく、ビジネスで農民の尊厳を取り戻すことを考えたのです。
ビジネスモデルを作るときに考慮した点、気づいた点は以下のものが挙げられます。
・低コストで始めることができる
・炭焼きは、森林破壊につながってしまう
・ケニアには国産ハチミツがなく、輸入品ばかりである
ファルークさんが考えたビジネスモデル(ビジネスの仕組み)
1.ミツバチの巣箱を6000円で販売し、農民はローンで購入する。
2.農民が巣箱を利用して蜂蜜を作る
3.農民は蜜が付いた巣箱を採集センターへ運ぶ
4.採集センターで分離機を使用して蜂蜜を抽出、センターが蜂蜜を全て買い取る。このとき、農民は売上の25%をローン返済する。年に3~4回蜜を取ることができる。
この「農民一人ひとりが社長」という仕組みにより、年収の半分以上をハチミツで楽に稼ぐことが出来るようになりました。
子供の教育費にあてることにより、子供達に夢を与えることができるようにもなりました。
導入時には、大きな壁もあったそうです。
1.当初、丸太で作成した巣箱は高い木の上に設置する必要があり、女性の使用は困難であった。
2.ケニアでは、年長者を尊敬する風潮があり、当時23歳という若いファルークさんの案に農民はのってこなかった
これらの問題の解決策として、以下のことを行いました。
1.巣箱に、現在の利点が詰まっているラングストロス式を使用し、使い勝手を改善し女性も使用できるようにした。
2.男性は出稼ぎに行ってしまうため、女性に夜の間に行なってもらうようにした
3.地域NGOにも協力を依頼した
また、営業として、ファルークさんはスーパー等に売り歩きました。
農民はファルークさんの人柄を
・人間味がある
・良く話を聞いてくれる
・農民と利益の両方を考えている
と評価しています。
最近は、ハチミツの小さなパッケージも作り、農民自身にも食べてもらうようにしているそうです。
また、農民たちはもっと収入を得たいと自ら巣箱を改良して、コストは1/15、収穫量は15倍という巣箱を作っています。そして、そこで得た利益で乳牛を買い、牛乳を売りたいそうです。
農民自らがアイデアを出し、新しいことを考え始めたそうです。
ファルークさんから、日本のみんなへのメッセージとして、
「新しい技術や発明はいらない。目の前にあるものを新しい方法で使おう」
ということでした。
以上、番組の概要です。
この番組で特に重要だと感じたことは、「農民一人ひとりが社長」という仕組みです。
物品を与える援助ではなく、農民が自分達の手でビジネスを回していく仕組みを作ることが最も大切なのです。
また、社会起業家は、幾多の困難に遭遇しても、それを一つずつ解決し、夢を達成するまであきらめないことが大切だということも、改めて気づかされます。
私はビジネスコンサルタントですが、事業領域として地域や経済レベル等は考えていません。先進国であろうと発展途上国であろうと、人々を幸せにする仕組みを導入していきたいと考えています。
現状を変えたいと思ったときに、より良くするための手法は常に同じなので、環境分析をしっかり行うことにより、外部環境の違いにより事業領域を狭める必要はないと考えています。
問題解決手法
・現状を分析する
・本質的な問題を洗い出す
・目標を設定する
・解決すべき課題を洗い出す
・実現可能な解決策を考える
・スケジュールを立てる
・スケジュール通りに実行する
・計画と実行結果の差異を分析し、再計画し、再実行し、目標達成まで繰り返す
ファルークさんも言われていましたが、「新しい技術や発明よりも、既存のモノを新しい方法で使う」という考えは、非常に大切だと思っています。
これは、まさしくアイデアの概念そのものなのです。
問題解決力とアイデアによる発想により、世の中の様々問題を解決していくことができると考えています。
そしてこれこそが、私自身が取り組んでいることで、今後も力を入れていきたいと考えている分野です。
参考になる関連サイトです。
チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)、チェンジメーカーに興味を持ち、まだ以下の本を読んでいない方は、ぜひご購読ください。
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