現在日本では、様々な商品・サービスが販売されています。そして私たち消費者は、食品、衣類、電機製品などあらゆるものについて、基本機能のみのシンプルで安価なものから、最先端・高機能・ファッション性の高い高価なものまで様々な選択肢の中から選ぶことができるようになっています。
高機能・高性能な商品が現れることにより、私達の選択肢が増え、より充実した生活を送ることができるようになりました。
日本の製造業は非常に技術力が高いことから、高機能で故障しにくい高品質な製品を製造することに強みを持っています。そして、諸外国との差別化を図り持続的な経済発展を続けるためには、高度な技術力を生かすべきだといわれています。低機能な廉価商品を製造しても韓国や中国等にはコスト競争で負けてしまうからであり、資源に恵まれない日本の最大の強みである製造業は今後も高度な技術力を生かしていくべきだと思っています。
しかし、成熟化がますます進み、今後国内の少子高齢化が進むことを考えると、これらの戦略が裏目に出るのではないかと危惧しています。
現在発売されている家電製品や自動車の中には、高機能・高性能過ぎてとても使いこなせないようなものもたくさんあります。
例えば携帯電話などは、多くの人は必要な限られた機能しか使用していないでしょう。
また、新しい高機能な商品を生活に取り入れて、すぐに使いこなすことができるのは、やはり若者の方が得意なのではないでしょうか。
ハイテク新製品を市場に浸透させるときの最大の落とし穴は、少数のビジョナリー(進歩派)で構成される初期市場から、多数の実利主義者で構成されるメインストリーム市場へと移り変わるところの溝「キャズム」を超えることだといわれています。しかし、少子化によりメインストリーム市場の年齢が上がることにより、「キャズム」を超えることが非常に困難になるのではないかと思っています。
どういうことかというと、日本が得意としている高性能・高機能ハイテク新製品の市場は、今後日本では縮小するのではないかと考えられるのです。
消費者が使いこなせる機能は既にコモディティ化(汎用化)されており、さらなる高機能化はさほど求められないのではないかということです。もちろん、全てのハイテク製品についていっているわけではないのですが、この傾向は強まるのではないかと思います。
一方で海外に目を向けると、新興国の人々は急速な発展の中で安価で基本機能のみの安価な商品を買い求めています。中国、インド、ベトナムなど一層マーケットが広がっていきますが、これらの国は品質や機能などよりも価格を重視することから、価格競争力が無い日本製品は劣勢を強いられるでしょう。それらの市場で日本企業は強みを発揮できず、そうこうしているうちに新興国に技術力すら追いつかれてしまうのではないかと危惧しています。
衣類等ファッションに関しても、流行に敏感な若者向けに意図的に流行を作り出して需要を喚起していましたが、中高齢者をターゲットにするにはこういったマーケティング戦略は大きな効果は見込めないと思います。
成熟化社会の進展により、ニーズに合った機能・価格で長く使える本当の意味での高品質なものが選ばれるようになるのではないでしょうか。
このことは、使い捨て文化を前提にした経済の拡大とは相反することになります。今後消費者は一層賢くなり、少子高齢化社会の到来も相まって、プロダクトアウト的な発想や計画的陳腐化の発想は通用しにくくなると考えています。
その対策として、大手日本企業は単なる高機能・高性能な製品を作るだけではなく、イノベーションといえる製品やユーザビリティが優れた商品、プラットフォームを押さえるシステムを構築しないと今後の発展は困難なのではないかと思います。
<今後の日本を考える 連載>
1.巨額な財政赤字
2.ますます進む少子高齢化
3.成熟化社会における購買意欲の衰退
4.儒教的思想から欧米的思想への過渡期で生じる混乱
5.中国・インドの台頭
6.IT化の進展とグローバリゼーション
現在連載中です。
Project
2008年5月11日から11ヶ月間、
ラオスで仕事をします。
ラオス滞在記はこちら
Laos ラオス滞在記
Blue Round
ブルーラウンド
ビジネスシステムコンサルタント
西浦 豊
Yutaka Nishiura
中小企業診断士
米国PMI認定PMP
■詳細
プロフィール
■E-mail

■RSS



メールで更新を取得



BlogoSquare