アメリカ最大の広告代理店副社長を務め、数々の公職で活躍したジェームス・W・ヤングは、アイデアのつくり方 で二つの原理を述べています。
■アイデアとは、既存の要素の新しい組合わせ以外の何ものでもない
■既存の要素を新しい一つの組合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい
このように、アイデアとは既存要素の新しい組み合わせといえます。
高度に発達した現代では、まるで新しい原理を発見することはとても困難をともないますが、既存要素の新しい組み合わせであるアイデアは、訓練しだいで誰もが見つけることができるのです。
また、ジェームス・W・ヤングは、アイデアが作られる全過程ないし方法を次のように述べています。
1.データ(資料)集め
諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料。
2.データの咀嚼
諸君の心の中でこれらの資料に手を加える。
3.データの組み合わせ
孵化段階。そこでは諸君は意識の外でなにかが自分で組合わせの仕事をやるのにまかせる。
4.ユーレカ(発見した)の瞬間
アイデアの実際上の誕生<ユーレカ! 分かった! みつけた!>という段階。
5.アイデアのチェック
現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
アイデアの元となる既存要素を自己に貯え、自分自身でそれぞれの組み合わせを考えながら咀嚼し、想像力や感情を刺激するものに心を移し、あるときふとひらめく。そしてそれを実現可能性を考えながら形にしていく。このような流れになります。
イタリアの社会学者パレートは「心理と社会」で全人間は二つの主要なタイプに大別できると考えました。
■ザ・スペキュラトゥール(投機的)
投機的タイプの人間で、新しい組合せの可能性に常に夢中になっている人々である。
企業家、つまり財政や経営の計画に携わる人々ばかりでなく、あらゆる種類の発明や、パレートが「政治・外交的再構成」と名づけている活動に従事する人々を含めています。
■ザ・ランチエ(株主)
型にはまった、着実にものごとをやる、想像力に乏しい、保守的な人間で、先にいった投機的な人々によって操られる側の人々である。
※ジェームス・W・ヤングは、ザ・ランチエを「株主」というより「鴨にされる人」のように思えると記述しています。
高度成長期には、欧米先進諸国に追いつくことを目標に製造業中心の画一的労働力を重視していたため、物事を正確に着実に行なう能力が求められていました。
しかし、現在の知識集約型社会では、市場のニーズを見つけ出し、自らが主体的に行動できる個性的な労働者が求められています。
このようなことから、今後はより一層ザ・スペキュラトゥールタイプの人が求められるようになり、アイデアの重要性が増していくといえるでしょう。また、本来の人間の性質上、想像力を活かし、アイデアを出していくという行為は本能として持っているように感じます。そして、そのような能力を発揮できる世の中の方が、正常なのではないでしょうか。
アイデアのつくり方 ジェームス・W・ヤング は非常に薄い本ですが、アイデアのつくり方の最も重要な点が述べられており、あらゆる人に対して必読の書と感じています。
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