組織内の全員で情報を出し合い共有することにより、重複して行われる作業をなくし、生産性を高めるというのが情報共有の主な目的です。
自分で丸1日かけて調べたことが、実は隣の席の人に聞けば5分で解決することだった・・・
社内の経験豊富な先輩が情報を出し惜しみして、なかなか教えてくれない・・・
などという、笑えない話が企業内で数多く生じているのではないでしょうか?
自分自身で苦労して収集した情報には価値があり、「そう簡単に誰かに渡してなるものか」と思うのも無理はありません。
このように、少し考えただけでも社内で実行するのはとても難しく感じる情報共有ですが、既に世の中ではそれを成り立たせる仕組みがいくつか存在します。
まずは、特許法について。
「発明者に独占権を与える特許と情報共有との間に何か関係があるの?」
と思われた方は、しっかり最後までお読みください。
特許法第1条(目的)
この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。
このとおり、特許法は「産業の発達」を目的にしています。
ここで、なぜ特許が「産業の発達」に結びつくのか説明します。
特許法が無い場合-
日々の研究開発を、新たな技術である発明に結びつけるまでには、多大な投資と時間を必要とします。また、資金や時間を投入しても新たな発明に結びつかないというリスクも存在しています。このようにしてようやく開発した新技術は、当然のごとく秘蔵化を図り、他社に模倣されないようにするでしょう。
しかし、このように企業内で秘蔵化を図ることにより、既に世界のどこかで開発されている技術を他社が同じように多大な投資と時間をつぎ込み開発することになってしまいます。これは、産業界全体で考えると重複した非常にムダな行為であるといえます。
そこで、新たな技術を開発した際に、それを技術文献として公開し重複したムダな研究開発を排除し、新技術を土台にして、さらに新しい技術を開発しましょうというのが「発明の利用」ということになります。また、もちろん新技術が実用化されることも「発明の利用」になります。
ただし、新技術を公開するだけで保護規定を設けないと研究開発を行なわず、模倣したほうが得策と考えてしまい新技術が生まれなくなってしまうため、新技術公開の対価として一定期間独占して使用できる権利を付与するというものが「発明の保護」ということになります。
そして、発明公開の不利益を十分補うことができ、結果として「発明の奨励」に繋がります。
このように、独占排他権である「発明の保護」と技術文献として活用される「発明の利用」のバランスを図ることによって、産業界の重複した研究開発のムダをなくし適切な「産業の発達」に結びつけるというものです。
このように、特許法は、独占排他的に使用できる権利を与えるというインセンティブを与えることにより、情報を共有し、産業界全体の無駄な重複作業をなくして有意義な研究開発を行なうという仕組みを持っています。
少し長くなりましたので、次回に続く・・・
次回は、WEB上での情報共有について掲載いたします。
※特許法の解釈は、平易に記述したため不正確なところがあります。




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